岡谷蚕糸博物館収蔵品展「驚きの昭和絹企画展 えっ!これがシルク!?」が始まりました。
柔らかく光沢のあるイメージの絹、その概念を覆すような絹製品が、昭和初期にすでに開発されていました。
会期中イベントとして、髙林館長による「私の人生を変えた絹無音歯車」と題したギャラリートークが行われました。

現在は、シルク学会の会長でもある髙林館長は、駆け出しの研究者だったまだ若い(?)ころ、旧岡谷蚕糸博物館の展示室で偶然この絹無音歯車に出逢いました。
どう見ても金属にしか見えず、柔らかい絹と硬い金属とが結びつかずに、その衝撃だけが強く印象に残ったといいます。
後から先輩に聞くと、それは絹を圧縮したものであったことがわかったそうですが、この絹で歯車を作るという固定概念にとらわれない独創的な発想が、その後、研究をする際の館長の発想の原点になったそうです。
博物館リニューアルにあたり、この歯車に再会したときの感動を、「初恋の人に偶然出逢えたようで、恋焦がれた人は、あれから40年経ってもそのときのままの姿でいてくれた 」と熱くお話になりました。

