博物館では、博物館実習や、インターンシップの大学生を受け入れています。
8月下旬にインターンシップに来られた実習生に、ブログの記事を書いてもらいました。
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はじめまして、実習生の新居と申します。
今回はインターンシップを通じて勉強させていただきましたことについて少しご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが…
こちらのハイカラな建物は『旧山一林組製糸事務所』です。
赤いレンガと黒いかわらの和洋折衷な外観がオシャレでとってもステキですよね。
大正ワールド全開のロマンあふれる空間を味わうことができます。
かつて日本の産業発展の一翼を担った製糸工場の事務所。
現在は『岡谷絹工房』となっており絹製品の作成や機織り体験を通して岡谷ブランドを発信しています。
海外からの発注もあり、現在岡谷で最もアツい場所の一つです。今後に注目ですね。
建物内はこのようになっています↓
ステキなデザインが随所に散りばめられていて建築そのものも見どころ。
大変古い金庫もありました。こういったアンティークもいくつか置いてあり、当時に思いを馳せます。
お手洗いもレトロでとてもかわいらしいですね。
機織りの様子はこちら。
機織り体験は材料費込で2000円、所要時間は約30分となっております。
ぜひとも今注目を集めている岡谷絹で、おひとつ手作りしてみてはいかがでしょうか。
さて、そんな岡谷絹を支えているのはカイコさま。
今回そのカイコさまの力の源である桑畑にも行ってきました。
晴天の下、雑草抜きとアメシロ駆除でいい汗をかきました。
このアメシロ…白い毛虫がなかなかのくせ者でして、放っておくと桑の木をどんどんダメにしてしまいます。
博物館の周りにも大量の巣を作っており、なかなか苦心しました。
(苦手な方もいらっしゃるかと思いますので、写真は記事最下部に貼っておきます。)
この日、幸運にも野生のカイコである『クワコ』に出会うことができました。
すでにかなり大きく、おそらく次の脱皮を経てマユを作るとのことです。
マユといっても彼らクワコの作るものは、家蚕のマユのように綺麗な形にはなりません。
彼らはカイコの祖先であると考えられており、他の蛾と同様成虫は飛ぶことができます。
家蚕の成虫も白くて小さくとてもかわいらしいですが、一方の野生には溢れ出る生命力が感じられこちらも魅力がありますね。
岡谷蚕糸博物館では蚕糸の歴史を後世に伝えるだけではなく、岡谷絹を中心とした岡谷ブランドの発信にも力を入れています。
今後のさらなる展開に注目ですね。
以上、新居でした。
アメシロ(アメリカシロヒトリ)の実際の画像。
人体には無害ですが、葉肉だけを食べつくし木を丸裸にしてしまいます。
殺虫剤は使わず、広がってしまう前に枝先を切り取りそのまま捨てます。
葉っぱの裏にびっしり幼虫がついていることもあり、気味が悪いです。