養蚕業は蚕から繭を取る作業です。蚕が蛹になった時点で殺蛹(蛹を殺すこと)し、その繭から糸を取ることを製糸といいます。ここで、蛹を死なせずに蛾になるまで生育して蛾同士に交尾をさせ、蚕の卵を取る蚕種という産業があります。交尾を効率的に行うためには雌雄を明確に分ける必要があるのですが、どの時点の状態のときが1番見分けやすいのか、それは蛹の時です。蚕(幼虫)の時も雌雄の判別はできますが、より正確に分けるには蛹の時の方が違いが明確です。では、実際に蛹の観察から蚕の雌雄を判別してみましょう。
これは雌雄の蛹の写真です。どちらがオスでどちらがメスかわかりますか。
正解は左がオス、右がメスです。
どうすれば見分けられるのか、、、見分けるポイントはズバリ2つあります!
まず1つめの見分けポイントは大きさです。蚕の場合、オスの蛹は小さく、メスの蛹は大きいです。
この写真の場合、左の方が小さく、右の方が大きいので、左がオス、右がメスとなります。
次に2つめ、蛹をひっくり返したお尻の部分に注目してください。雌雄で違う部分があります。
オスは、赤線で囲った部分の筋が真っすぐです。
それに対しメスは、この部分が山型、斜めになっています。
もう一度両者の比較をしてみましょう。どうですか。見分けられるようになったのではないでしょうか。
これであなたも今日から蚕の雌雄鑑別マスターです!