〇金上繭倉庫とは?
「製糸のまち」と聞いて、あなたのイメージする「色」は何色ですか?
製糸のまちでは工場が立ち並び、煙突が多くそびえ立っていました。その煙突からは「黒」煙がもくもく出ていました。そのため、岡谷のスズメは真っ「黒」だったというお話もあります。その一方で、大量の繭を保管するために、「白」壁土蔵造りの繭倉庫も製糸のまちには多くありました。土蔵造りであったのは、大量の繭が火災で燃えてしまわないようにするためです。
「黒」と「白」、相反する色ですが、かつて町中を埋め尽くしていたその色は製糸のまち岡谷のイメージカラーともいえるのではないでしょうか。
金上繭倉庫も岡谷の土蔵造りの繭倉庫の1つでした。サスダイ中村甫助製糸所の3階建て繭倉庫として明治時代に建てられ、使用されていました。その後、昭和32年、株式会社金上が譲り受けて移築・改修され、販売物品の倉庫として使用していました。そして、令和4年7月7日、レコード店「セラーレコーズ」として生まれ変わりました。
〇レコード店「セラーレコーズ」とは?
「セラーレコーズ」の外装は、真っ白な壁と繭蔵特有の格子窓、切妻屋根にマルジュウの屋号が入り、製糸が盛んだったあの頃の岡谷の様子が思い起こされます。
「セラーレコーズ」正面
入口の窓に、繭を発見!建物細部にも繭蔵であったことが感じられますね。
「セラーレコーズ」入口、扉の取っ手には繭の形が!
「セラーレコーズ」の内装は、既存の2階の床が撤去され、3階建てから2階建てとなっており、吹き抜けになった1階に、ジャズなど洋楽・邦楽のレコード約3,000枚が並んでいました。
中にはレコードがたくさん!それぞれ思い思いにじっくりレコードを選べます。
吹き抜けの蔵の中ではレコードがよく響き、店内にはジャズ音楽とゆったりとした時間が流れていました。
2階に上がることができ、上からは1階を見渡すこともできます。
2階に上がって、ピースする館長
吹き抜けの2階からの様子
今後は貸しスタジオや、飲食店も新築する計画もあるようで、さらなる展開にも期待大ですね!
現在の岡谷で、製糸をやっている工場は少なくなってしまいましたが、かつては製糸のまちであったことが感じられる遺構は残っています。
皆さんも、ぜひ「セラーレコーズ」に訪れ、製糸のまちを感じてみませんか?