先日、岡谷市民病院に電話をしたときに、保留音が「岡谷市歌」のメロディだと気づきました。小学校で歌って以来、数十年経っていますが、メロディを聞きながら「だ~いお~か~や~」と口ずさめる自分に驚きました。
岡谷市歌は一般公募264点の中から選ばれ、昭和24年11月3日制定されました。作詞・小浜梅窓、修補・尾崎喜八、作曲・堀内敬三です。
歌詞は五番までありますが、ここでは一番をご紹介します。
朝日かがやく諏訪の湖 富士の上漕ぐ釣舟と
いにしえびとの讃えたる 真澄の水の幸うけて
生糸のほまれ内外に とどろく都 大岡谷
子どものときは、人口が6万人ぐらい(昭和50年代)の普通の街なのに、「生糸のほまれ内外に とどろく都 大岡谷」なんて大げさだなぁと思っていました。しかし生糸生産の最盛期であった昭和初期には日本全体の11%もの生糸を生産し、海外からは「シルク岡谷」と呼ばれていた歴史を学ぶと、この歌詞は大げさどころか、事実そのものだなぁと思います。
ちなみに、岡谷市歌を保留音にしている岡谷市民病院は、明治42年に製糸業者が共同出資して従業員やその家族の診療を主とするためにつくられた「平野製糸共同病院」を前身としています。身近な歌をもう一度見直すことで、養蚕製糸で栄えた地元の歴史の再発見になりました。