4月の休館日は、1日(水)・ 8日(水)・15日(水)・22日(水)です。
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工女さんの新人研修

新年度となりました。新しい職場・環境で、新たなスタートを切っている方も多いことと思います。岡谷蚕糸博物館も職員一丸となって、充実した一年となるように励んでいきます。今年度もよろしくお願いいたします。

さて新しい職場と言えば、製糸工場で初めて働く新人工女さんはどんな生活を送っていたのでしょうか。親元を離れ製糸工場に入ると、まずは糸取りの技術指導を受けます。この研修期間は製糸工場によって異なりますが、3ヵ月~1年間ありました。養成工場で技術を身に着けてから本工場へ移動となります。養成工場で最初に習うのは繭糸の集緒器通しです。(写真1)

(写真1 白い円形の集緒器 中央に穴が開いている)

「集緒器通しが一番初め。(繭)5個(の糸)を何分で通せって。糸通しの次は、より掛け。上のギリ(鼓車)から下のギリに掛けて。ほいだもんで、手の早い人は早いよ、しゅしゅしゅーって」(紀要15号聞き取り調査の記録より)

集緒器の穴は大変細く、この穴に数粒の繭糸を通します。針穴に糸を通すように、すっと通る時もあれば、なかなか通らないこともあるので、手先が不器用な人は一苦労です。集緒器通しが出来るようになるとより掛けや糸繋ぎ、糸の端の切り方、接緒(糸の足し方)と進んでいきます。

大日本蠶絲會報(大正3年)の工女養成方法には、仕事は見よう見まねで覚えるより内容を理解して覚える方が早いとあり、繰糸手順が項目ごとに書かれています。技術は見て盗めという言葉もありますが、工女さんの養成方法は短期間に平均的な技術力を取得できるよう、順序だてて教えていたことが分かります。

さらに、本工場へ行った後も教婦さんからは常に「繰目、糸目、品質」が大事だと教わります。(写真2)

(写真2 製糸工場内)

繰目は一日の繰糸量、糸目は繭から糸が取れる割合、品質は繊度や糸むら、光沢のことで、この項目の評価によって工女さん一人一人の給料が決められました。(写真3)

(写真3 ヤマニ製糸所製糸計算簿 明治44年)

基本をしっかりと学び、技術を積み重ねた工女さん達は、より良い糸が繰れるように全力で仕事に取り組んでいたことでしょう。新年度を迎え、工女さん達の仕事へ向き合う姿勢を見習いながら、気持ちも新たに博物館活動に励んでいきたいと思います。皆さまのご来館をお待ちしております。

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