乙巳の新年を迎え、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
本年も岡谷蚕糸博物館をよろしくお願い申し上げます。
さて今年は巳年ということで、「ヘビ」にちなんだ当館所蔵の生糸商標をご紹介します。
生糸商標は生糸を出荷する際に、どの製糸工場で作られた生糸かを明らかにするために付けられました。明治以降、日本から海外への生糸輸出が盛んになると、英語やローマ字表記に加え、日本らしい絵柄や趣向を凝らした商標が付けられるようになりました。
ヘビは脱皮をすることから、再生を繰り返す神秘的な存在として、縁起の良い生き物とされています。また養蚕農家にとって、ヘビは蚕の天敵であるネズミを食べてくれる守り神でもあります。さらに白いヘビは弁財天の化身や御使いとして崇められ、金運や財産を招くと考えられてきました。
画像の生糸商標は、「へび」そのものズバリは描かれていませんが、弁財天や琵琶を描くことで、豊蚕を願う人々の信仰を感じることができます。
豊穣をもたらすというヘビにあやかり、当館でも様々なイベントや企画展を実施しながら、豊かな実りある一年としていきたいと考えております。今年一年が皆様にとっても良い年となりますように。
博物館の受付では繭でできた可愛らしいヘビがお待ちしておりますので、ぜひご来館ください。