岡谷蚕糸博物館の企画展示室では「花岡哲象 絹本日本画展」を開催しています。花岡哲象氏は長野県岡谷市出身の日本画家で、絹本作品に独自の世界観を表現しています。前期、中期は終了し、現在は後期の作品を展示しています。
今回、額装の作品を展示するということで職員が苦心したことが二つあります。一つ目は天井レールから吊り下げたとき、ワイヤーの強度が作品の重量に耐えられるかの落下問題。(前期の展示では120号の重量のある大作が2点ありました。)
二つ目は作品をワイヤーで天井レールから吊り下げた時の額の傾きの問題です。額がおじぎをするように前方に傾くと、天井からの照明によって作品に額縁の影がかかってしまうことがあります。

解決策として、重い作品は台の上に乗せて壁にたてかけ、さらに天井からのワイヤーで倒れないように固定しました。

吊り下げた額の傾きについては、試行錯誤しました。壁に額がぴったり張り付くように展示できれば見栄えが良いのですが、当館の展示壁面は釘を打ち込むことができません。
ライティングの角度と、作品との距離を工夫することで、できる限り影かかからないようにしました。現在の環境の中で、より良い展示方法を模索していく貴重な時間となりました。
「花岡哲象 絹本日本画展」は令和7年6月15日(日)までの開催となります。
皆さまのご来館をお待ちしています。